海上交通の要衝として古くより栄えてきた広島県生口島は、今日も多くの文化遺産を残す歴史ある島です。

この島に住む人々は、長い年月の中で島の豊かな自然と寄り添い独自の生活文化を連綿と紡いできました。 しかし、戦後の生活スタイルの変化や少子高齢化、若者の島離れなどが原因で、古くより続いてきた歴史文化を若い世代へ受け渡すことが困難な状況になっています。また、島の人々の生活文化を詳細にまとめた歴史資料が製作されたにも関わらず、それが島の人々の目に触れる機会がなかなかありません。そこで、それらの歴史資料や自身の祖父母からの聞き取りをもとに島の歴史をわかりやすい絵本にアレンジし、島のこどもたちが歴史を遊び感覚で学ぶことができるイベント「タイムトラベルせとだ」を開催しました。

〈タイムトラベルせとだ〉は、 地図を片手に現地の歴史の描かれた絵本を探し、拾い集めていく ブックラリーイベントです。 絵本には過去にその場所で暮らした人の日常のストーリーが描かれています。こどもたちは現地の風景と絵本の中の風景を重ね合わせることにより、まるで時間旅行をするように過去の人に出会い、自然と寄りそって生きてきた彼らの生活文化を身近に感じることが できます。イベントでは南小学校の海岸をスタート地点とし、荻を実際に歩いて物語を探し集めることになります。現地を実際に歩きながら、五感をフルにして楽しんで歴史を学んでほしいと考えました。
〈タイムトラベルせとだ〉を実行するにあたり、瀬戸田小学校の先生方に多大なるご支援ご協力をいただきました。寺地前校長先生のご協力の元、こどもたちの前でのイベントの説明、小学校での広告の設置をさせていただけました。 また先生方の熱心な呼びかけのおかげで、イベ ント当日は総勢42名の子どもたちが参加してくれました。参加してくれた皆さん、ご協力いただいた先生方に感謝です。

生口島の7つのストーリーは、こちらからご覧いただけます。