2024 - Onomichi,Hiroshima

小林和作旧邸から出てきた古い皿を看板として使用。錆びた表面にヤスリをかけて滑らかにした上で、白のカーボン紙で絵を転写しました。細い線の銅版画をイメージしています。

皿には2ヶ所穴が空いており、それぞれイーゼルとパレットの絵の具に見立てました。

2024 - 和作の庭「Le Jardin de WASAKU」ロゴ・看板制作

Client :  NPO法人尾道空き家再生プロジェクト


山口出身の洋画家、小林和作のアトリエ兼住居を再生活用した文化施設「VILLA WASAKU」の庭園の看板を制作しました。

VILLA WASAKUは、尾道市民に愛された画家・小林和作のアトリエ兼住居を再生活用した文化施設です。広島県尾道市の旧市街に位置し、アーティストや研究者の滞在制作・文化交流の場として利用されています。
2020年に一度は取り壊しが決定したものの、2021年にNPO法人尾道空き家再生プロジェクトが市から買い取り改修。2024年からは長期滞在型のアーティスト・イン・レジデンスとして活用されます。


和作の庭 Le Jardin de WASAKU
和作の没後50周年を記念したイベントに向けて、邸宅の庭を整備し、看板を設置することになりました。藤のアーチや和風庭園と池のある前庭、井戸やウッドデッキがある裏庭があり、公園や広場としても利用可能です。
今後は庭の園芸部を募集する予定で、植物やガーデニングが好きな方々に参加を呼びかけることに。「赤毛のアン」のような世界観をイメージし、優しくて明るく、レトロな雰囲気のデザインを考えることになりました。

人を迎え入れるように広がる屋根

 
 

モチーフとして選んだのは、庭に植えられている藤、松、サルスベリ、アジサイ、桜、ノシラン、そして和作の好物だったスイカ。庭で見かけたキアゲハやショウジョウバッタも絵の中に隠れています。
花々や木々が風に揺れ、家は人を招きいれるような大らかなイメージで描きました。

「Le Jardin de WASAKU」はフランス語で「和作の庭」という意味です。
若かりし日にヨーロッパを旅行し、画家セザンヌの生地、南仏エクス・アン・プロヴァンスに約5ヶ月滞在した和作。旅行後、セザンヌの画風に大きな影響を受けたといいます。
このことから、和作にとって特別な場所であるフランスの筆記体を用いることにしました。文字が花々の一部となるように、植物のツタを思わせる曲線を意識しました。


藤の木のトンネル

邸内では和作の収集した韓国や中国の家具、作家の遺した画材や書籍に触れることができます。また、室内各所には尾道在住のクリエーターの作品も設置してあります。
6メートル超の石垣の上に「投入堂」のように出っ張って建つ外観も見どころです。
今後イベントなどで公開される折には、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

小林和作旧居「VILLA WASAKU」
〒722-0046 広島県尾道市長江2-18-21

 

夜には長江の通りから明りの灯る邸宅が見える。


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